オンラインで広島と結び平和学習 南風原町の児童、ホロコースト学ぶ


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
ホロコーストの悲惨さについて聞き入る児童ら=9月20日、南風原町立南風原文化センター

 【南風原】南風原町喜屋武にある南風原文化センター(平良次子館長)は9月20日、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺や戦争の悲惨さを伝える広島県福山市のホロコースト記念館とオンラインで結び、平和学習会を開いた。「第26回南風原町子ども平和学習交流」事業の一環で、町内の小学校に通う児童7人が参加。平和の尊さや人権について学んだ。

 子ども平和学習交流は毎年、南風原町内在住の小学6年生を対象に沖縄戦や米軍基地、ハンセン病などを学習し、夏休みには広島県や大阪府、京都府などの平和資料館などを訪れ多角的に平和について学ぶ。第2次世界大戦や国内外の人権問題にも触れ、研修終了後には町長や教員、保護者らに発表し、報告書を発刊する。

 今年は新型コロナウイルスの感染拡大で県外での研修は中止となったが、訪問する予定だったホロコースト記念館とネットでつなぎ、大型スクリーンを通じて館内を見学した。

オンラインでアンネ・フランクや父のオットー・フランクさんについて説明するホロコースト記念館の大塚信館長

 ホロコースト記念館では大塚信(まこと)館長と吉田明生(あきお)副館長が解説し、記念館の開設の経緯やアンネ・フランクの半生、ユダヤ人の迫害の歴史、ゲットー、アウシュビッツ強制収容所の様子について伝えた。

 大塚館長はアンネの父、オットー・フランクさんが語った言葉を交えて「お互いが同じ目線で、同じ気持ちを持って、大切な人であることを思えば、素晴らしい友情と理解が生まれる」と語り「平和をつくるにはどうしたらいいか、一人一人考えて」と話した。

 翔南小6年の新垣涼介さん(12)は「今でも障がい者差別や人種差別など差別する人がいる。差別は絶対に駄目だということを伝えたい」と力強く語った。