音楽の力で首里城早期復興 竹の森楽宴など福岡できょう祈念公演


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 音楽の力で首里城の復興支援を―。昨年10月に大部分が焼失した首里城の早期復興を支援しようと、福岡県を拠点とする竹の森楽宴(竹森正貢代表)と九州・山口音楽協会が10日、福岡県飯塚市内で首里城復興祈念コンサートを開催する。沖縄県立芸術大学のピアノコースに在籍する砂川樺音さん(20)と嘉手川奏佳さん(19)も特別出演し、安里屋ユンタをアレンジした「沖縄幻想曲」などを披露する。

(左)砂川樺音さん (右)嘉手川奏佳さん

 竹の森楽宴はこれまでも東日本大震災の被災地で慰問演奏会を開いたり、公演を通して熊本地震の被災地に寄付したりと、社会貢献活動に積極的に取り組んできた。今回、首里城の焼失に心を痛めた代表や理事らを中心に、沖縄へ思いを寄せようとの声が上がり、コンサート会場に募金箱を設置することを決めた。

 同会の大庭俊英理事は「首里城は日本全体で大切にしたい世界遺産だ」と指摘する。新型コロナウイルスの影響で、首里城周辺の観光客が減っていることに触れ「二重で大変だと思う。一日も早い復興をお祈りしている」とし、九州でも支援の輪を広げる考えを示した。

 沖縄代表として招待され、ピアノ演奏を披露する砂川さんは「大学のすぐそばにある首里城は私たち芸大生にとっても特別な存在だった。悲しみは深いが、音楽を通して九州の方々に沖縄や首里城の素晴らしさを伝えたい」と意気込んだ。嘉手川さんも「失って初めて首里城の存在の大きさに気付いた」という。演奏する「沖縄幻想曲」の中間部分には、壮大な首里城をイメージできるパートがあると言い「私たちの思いを音楽に乗せて届けたい」と述べた。