皇后杯九州サッカーきょう開幕 ナビィータ宜野座「前に出てゴール守り抜く」 デイゴス嘉数「優勝して本選が最低条件」


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 女子サッカーの第38回九州選手権・第42回皇后杯JFA全日本選手権大会九州大会が10日、佐賀県で開幕する。県代表として全保連琉球デイゴスとヴィクサーレ沖縄FCナビィータが挑む。デイゴスは3年連続4度目の本戦出場、ナビィータは初の本選出場を狙う。コロナウイルスの影響で、九州リーグは中止になったこともあり、今季最初にして最後の大舞台となる。デイゴスのベテラン、MF嘉数飛鳥(31歳、神原中―鹿児島・鳳凰高―武蔵丘短期大学出)ナビィータの弱冠15歳のGK、宜野座令愛(れあ)(金武中3年)の意気込みを紹介する。

(左)九州優勝を目標に掲げる嘉数飛鳥 (右)初の九州予選に挑む宜野座令愛

 嘉数はなでしこ1部のベガルタ仙台で8年間プレーした後、オルカ鴨川FC、豪・メルボルンのチームでプレーした。引退前に故郷でのプレーを考えており「デイゴスを九州リーグに昇格させるために来た」と経験値を還元している。

 仙台では主将としてけん引し、得意のドリブルや守備裏に抜ける動きで得点源として活躍。デイゴスではボランチ起用が見込まれるが、どのポジションもこなす。「役割を意識し、いける時はゴールを狙う」と意欲的だ。山木里恵監督は「攻撃の推進力が増した」と期待は大きい。

 九州リーグ中止後もチームは男子との試合で試合勘を磨いてきた。嘉数は「厳しいことでも言うべきことは言う」と積極的な声掛けで刺激を与え続けている。「九州で優勝して本選に進むことが最低条件だ」と決意を語った。

 ナビィータは、15歳のGK宜野座令愛が皇后杯九州予選に初出場する。昨季ユースからトップ登録され、今季から正GKになった。女子サッカーの頂点を懸けて戦う皇后杯で、九州予選とはいえ中学生の抜てきは異例だ。

 姉の影響で小学3年生の時に羽地FCに入団。間もなく県選抜に選ばれると、小学6年生で九州トレセン、中学1年生でナショナルトレセンに参加。昨年8月にはJFAエリートプログラムにも招集された。GKは全国から2人のみという難関だった。

 九州U―15選手権県予選(9月22日)では、積極的にロングキックで前線にボールを供給。味方が「前からの守備」でボールを奪って攻撃につなげた。

 現代型GKの象徴であるマヌエル・ノイアーに憧れる。九州予選では「積極的に前に出る姿勢でゴールを守り抜く」と優勝を狙う。

(古川峻)