恩納、ダイナミックに獅子演舞 金武、ノロ殿内で御願と舞 <各地の十五夜・上>


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演舞を披露し立ち上がる獅子舞=1日、恩納村山田区体育館

 【恩納】恩納村山田公民館で1日(旧暦の8月15日)、恒例の十五夜祭が行われた。例年は公民館前のパンダ公園で開催されるが、今年は新型コロナの感染を避けるため規模を縮小し、場所は体育館に移した。集まった区民は評議員など役員や関係者50人ほどで、お年寄りや子どもたちもほとんど参加しなかった。体育館の開け放たれた窓から、雲に見え隠れしながらも見事な満月が眺められた。

 館内に立てた旗頭の下には山田区の故久場喜代次氏によるデイゴで作った7代目となる獅子頭が鎮座。館内を舞ったのは、そのレプリカで練習用または区外演舞用に今年新調した獅子頭、空手の演武と共にダイナミックな獅子の演舞を披露した。獅子舞部長の比嘉秀康さんによると胴体は山田区民の協力で芭蕉の糸で作られたという。

 最後は恒例となっている外間信幸さん(山田区伝統芸能保存会副会長)による歌三線もあり、山田伝統の十五夜行事を満喫した。
 (小山猛三郎通信員)

ノロ殿内での獅子舞=1日、金武町の金武公会堂前広場

 【金武】金武町金武区で旧暦8月15日の10月1日に、獅子舞奉納がノロ殿内で行われた。宜野座武区長をはじめ区行政委員、伝統芸能保存会などが獅子と弥勒神、地謡を伴って、午後6時に金武公会堂からノロ殿内までを練り歩き御願をし、五穀豊穣や無病息災を願った。その様子を地域の人たちが見守った。

 奉納が終わると、ノロ殿内で弥勒神と獅子舞の演舞があり、愛らしい弥勒神の動きと勇壮で迫力ある獅子舞で観衆を魅了した。

 新型コロナウイルスの影響で、伝統行事である「観月祭」は中止となった。

 獅子舞奉納を見に来た前川雅史さん=金武区=は「さすが金武区の獅子舞は勇壮ですばらしい。観月祭の中止は残念」と話した。

 宜野座武区長は「観月祭は残念だが、獅子舞奉納ができ、獅子とミルクが厄払いもしてくれたと思う」と話した。
 (糸村昌敏通信員)