「補助事業、負担賄えない」県過疎地域振興協議会会長、宮里哲座間味村長に聞く 過疎新法指定外


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新たな過疎法から県内市町村が外れる見通しに危機感を抱く宮里哲座間味村長=7日、那覇市

 2020年度で期限が切れる過疎法に代わる新法でも過疎地域指定の継続を目指す県過疎地域振興協議会会長の宮里哲座間味村長に現状や課題などについて聞いた。

 ―現状は。

 「新法ができるのはもう間違いない。ただ今出ている新法の案を見ると、県内の半数以上の団体が抜けてしまうとの試算結果が出た。厳しい内容だ」

 ―過疎法の指定から外れるとどう影響するか。

 「有利に借り入れができる過疎債が使えなくなる。一般的に義務教育施設や上下水道施設などは国の補助金を使って整備する。補助事業の裏負担は小規模市町村の財政では賄いきれない。他の制度でも起債はできるが、過疎債の方が非常に有利だ」

 「沖縄の小規模自治体と離島自治体は財政力が非常に乏しい。過疎債では診療所の赤字部分も穴埋めできる。仮に指定から外れると、ただでさえ地方財政が厳しい状況の中、一般財源から支出せざるを得ない。これまで40年にわたって指定を受けてインフラや箱物を整備してきたが、そろそろ改修の時期に来ている。今、指定から外されるというのは非常に危機感がある」

 ―18市町村継続に向け、どう訴えるか。

 「総務省の有識者会議が発表した2040年の人口試算では、沖縄の自治体も軒並み20%以上の減少率になっている。今、仮にこの過疎地域から外れたとしても10年後20年後には、また同じことになる。今やっと人口減少が落ち着きだしてきている。あと10年は指定を受けて頑張らないといけないんじゃないかと思っている」
 (聞き手・梅田正覚)