沖縄県内でもオンライン内定式 画面越しに支援、対面を望む声も 採用内定解禁


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オンライン内定式で画面越しに内定者に声をかける佐方圭二社長(左端)=10日、南風原町のイオン琉球本社(同社提供)

 2021年4月に入社する大学生らの採用内定が1日に解禁され、沖縄県内でも主要企業で内定式が行われている。今年は新型コロナウイルス感染を防止するため、内定式をオンライン開催する企業もある。内定式を見送った企業も例年に比べて対面の機会が少ない今年の内定者の不安を取り除くため、オンラインでのフォローアップに力を入れている。

 イオン琉球(佐方圭二社長)は10日にオンライン内定式を開催し、22人の内定者が参加した。緊張した面持ちの画面上の内定者に、佐方社長は「自分なりに思ったことを情報分析し、素早く実行できる人になってほしい」とエールを送った。

 同社は採用活動もオンラインで実施した。4~5月にウェブ説明会を15回実施したところ、県外からの参加者が例年より約1割増え、内定者のうち5人は県外在住となるなど変化が見られたという。今後は先輩社員とのオンライン懇親会や人事担当者との面談などを通して、内定者をフォローしていく。

 沖縄電力(本永浩之社長)、サンエー(上地哲誠社長)は1日にオンライン内定式を実施。沖電の採用担当者は「顔が見える安心感は対面にはかなわないが、採用担当者と内定者、内定者同士でつながるツールはあるので、そこでコミュニケーションを取っていきたい」と話した。

 サンエーの採用担当者は「モニターだと一人一人の顔がちゃんと見えて、対面より距離を近く感じた」とメリットを挙げる。一方で、交流会などもオンライン開催のため、内定者からは「そろそろリアルで会いたい」という声もあるという。

 沖縄トヨタ自動車(野原朝昌社長)は内定式は実施していないが、オンラインで内定者の顔合わせをした。県内でも一部で内定取り消しが発生し、不安を抱いている学生らがいる。そうした不安を取り除こうと、冒頭で野原社長が来年4月入社に向けて取り組んでほしいことを話した。11月には先輩社員を交えたミーティングを開催し、フォローアップする。