首相と佐喜真氏、会談で何が…自民比例出馬案が浮上、公明はけん制


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佐喜真 淳氏

 次期衆院選に向け、2018年の知事選に出馬した前宜野湾市長の佐喜真淳氏(56)の動向が焦点になっている。佐喜真氏は9日に上京し、菅義偉首相と会談した。自民党県連幹部は「あくまで首相の就任に伴うあいさつだけのようだ。選挙の話が出たとは聞いていない」と語ったが、早期の衆院解散がささやかれる中、比例九州ブロックからの出馬について話し合いが行われたとの情報もある。本紙は佐喜真氏に取材を試みたが同日は連絡がつかなかった。

 佐喜真氏は2018年の知事選に自民や公明、日本維新の会などから推薦を得て出馬したが落選した。その後、自民党県連内や支持者からは2年後の知事選を見据えて佐喜真氏を国政に進出させるべきだとの声が相次いだ。

 ただ佐喜真氏が地盤とする宜野湾市を含む沖縄2区は宮崎政久衆院議員(55=九州比例)が支部長と務めており、これまで佐喜真氏が公の場で進退について表明したことはない。宮崎氏が次期衆院選で2区から出馬する意向を示している中、自民党内からは「現職の意向が優先」との意見もあり、2区からの出馬は厳しい情勢となっている。

 そんな中、浮上したのが佐喜真氏の比例単独出馬案だ。自民県連幹部によると、菅首相は官房長官時代から佐喜真氏を評価しており、国政進出について前向きで、官房長官時代を含めると菅氏は佐喜真氏と複数回、東京都内で会談しているという。

 一方、比例九州では連立を組む公明党が県内から前県議の金城泰邦氏の擁立を決定しており、調整が難航するのは必至だ。実際、佐喜真氏の上京について公明党は把握しておらず、公明党県本幹部の一人は「自民が佐喜真氏を比例で擁立した場合、自民と公明の信頼関係は地に落ちる」と語り、自民党をけん制した。