県議会、那覇軍港早期移設要求を決議 辺野古意見書は見送り


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浦添市への移設が計画されている那覇軍港=8月20日(小型無人機で撮影)

 県議会(赤嶺昇議長、定数48)は13日、9月定例会の最終本会議を開き、那覇港湾施設(那覇軍港)の早期移設と浦添市西海岸開発計画の早期実現を求める決議・意見書を採決した結果、賛成25人、反対15人、退席7人の賛成多数で可決した。沖縄・自民19人、公明党2人、おきなわ2人、無所属の会2人は賛成し、沖縄・平和8人、共産党7人は反対した。てぃーだネット7人は「移設協議会での議論がない状態では賛否を示す時機ではない」として退席した。 

 那覇軍港の早期移設や西海岸開発計画の早期実現を求める意見書と決議は、那覇、浦添の両市議会と那覇港管理組合議会でも賛成多数で可決されている。

 一方、与党3会派が提案を予定していた辺野古新基地建設を断念し、米軍普天間飛行場の即時運用停止、閉鎖・撤去を求める意見書は、文言調整が整わず、提出を見送った。文言調整を巡り、本会議当日に意見書案が取り下げられるのは極めてまれ。

 那覇軍港に関する意見書では、松本哲治浦添市長が軍港の移設先を「北側案」とすることに同意したことで、県や那覇市など全ての関係者が北側案で合意に至ったとして「今後の移設計画に大きく前進することが期待される」と指摘。その上で「移設後の跡地利用と移設先の浦添ふ頭の港湾整備、キャンプ・キンザーの跡地利用は今後の沖縄振興発展に大きく寄与することが期待される」とした。

 意見書の宛先は首相や外相、国交相ら。決議は知事ら。今後、議員団が関係機関に直接出向き要請する。

 本会議ではこのほか、台湾の世界保健機関(WHO)への参加を求める意見書を全会一致で可決した。