本部町初のプロ誕生を目指し 内間拓馬(宜野座高―亜大)(1)< 期待の星 >


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亜細亜大で急成長を遂げた、速球派の内間拓馬(同大提供)

 人口約1万3千人の町、本部町から初のプロ誕生に期待がかかる。期待の星は亜細亜大の速球派右腕、内間拓馬だ。8月の巨人3軍とのオープン戦で、最速150キロを披露。六回までを被安打1の6奪三振、無失点の好投でスカウト陣の目を奪った。プロ選手をゴロや三振に取り「上を目指すなかで一つの節目」となる試合だった。

 兄の影響で野球を始め、高校は公式戦最速145キロを武器に、県大会で8強まで進んだ。亜大入学当初は先輩の陰でリリーフ起用が多かったが、3年から先発を任されるように。3年時に日米大学野球で初の代表入り。納得のいく結果は残せず「悔しかったが、トップレベルとプレーし、ものの見方や野球への取り組み方、考え方全てで刺激をもらえた」と転機になった。

 春の東都リーグが中止となっても「いつ再開してもいいよう、体づくりに時間をかけてきた」という。そのかいあって、平均球速は昨季の139キロから143キロ前後に上げた。開催中の秋季リーグ戦は、勝率1位で立正大と並んでいる。

 プロに進んだ先輩の中でも憧れはソフトバンクの東浜巨だ。投球術だけでなく「誰からも期待されるような人間性」にほれ込んでいるという。
 指名があれば、本部町出身、宜野座高出身として初のプロの誕生。重圧もあるが「子どもたちの道しるべになれるようならうれしい」と控えめに語る。

 「少しでも可能性があれば挑戦したい。地元の沖縄で春季キャンプができたらもっと最高ですね」。朗報を静かに待つ。
 (上江洲真梨子)

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 プロ野球の志望届けが12日締め切られ、県勢は8人が提出した。新型コロナウイルスの影響で公式戦が相次いで中止になった異例の年のドラフト会議は26日に行われる。コロナ禍にも夢をあきらめず、プロ入りを目指す県勢選手のそれぞれの思いを聞いた。

内間拓馬

 内間拓馬(うちま・たくま)

 1998年11月21日生まれ、本部町出身。179センチ、86キロ。右投げ右打ち。
 本部小(本部少年野球ク)―本部中―宜野座高出。5人きょうだいの末っ子。