長打力誇る内野手 平良竜哉(前原高―九州共立大)(2)< 期待の星 >


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 「(ドラフト会議で)3位以上で掛からなければ、社会人で経験を積んでプロに行く」。力強く公言するのは九州共立大の平良竜哉主将だ。高い目標を自身に課すには理由がある。「夢はプロに入るだけじゃない。プロで活躍する、という先を考えた上での決断」と真面目な平良らしい答えが返ってきた。球児なら誰もが夢見る球界入りも通過点でしかない。“最高の状態”で入団しプレーしたいと語る口調は迷いがない。

 プロ、社会人のスカウトが次年度の人材を最終判断する春季リーグは新型コロナの影響で中止に。活動も一時休止したが、再開日を万全の状態で迎えられるよう筋力強化や素振りに汗を流し、体重も増加した。そのかいあってか9月に開幕した秋季リーグは、開幕から2連戦で大学15号、16号本塁打も飛び出した。不動の4番、主将としてチームを引っ張り、2年ぶりの王座奪還に王手を掛けた。

 最大の魅力は勝負強い打撃とバットコントロールだ。全身を使ったフォームと絶妙な体重移動が、身長差をもろともしない長打力を実現している。憧れはメジャーリーグで最も身長が低いとされるホセ・アルトゥーベ内野手。17年にシーズンMVPを受賞し、ゴールデングラブ賞、シルバースラッガー賞など数々のタイトルが並ぶ。「僕とほぼ同じ身長で世界最高峰のメジャーで活躍しているのを見ると、刺激を受ける」。走攻守すべての分野で最高峰を目指す。

 「周囲の期待もあってプレッシャーも徐々に感じている。ただまずは秋季リーグ優勝で、そこでのプレーがプロにつながるならうれしい」。周囲の期待も原動力に、運命の26日を迎える。 (上江洲真梨子)

平良竜哉

 平良竜哉(たいら・りゅうや)

 1998年7月9日生まれ、うるま市出身。170センチ、72キロ。内野手、右投げ右打ち。伊波小、前原ルーキーズ―伊波中―前原高出。
 中高大で主将を務め攻守で活躍をみせる。