沖縄景気の厳しさ続く 日銀判断据え置き コロナで個人消費や観光落ち込み


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日本銀行那覇支店

 日本銀行那覇支店(桑原康二支店長)は14日、10月の県内金融経済概況(主要指標8月)を発表した。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う県独自の緊急事態宣言などで個人消費や観光が落ち込み、足元の県内景気は「厳しい状況が続いている」と判断を据え置いた。

 桑原支店長は、県内の休廃業、解散件数が前年よりも増加していることや、不動産情報サイトのテナント募集掲載件数が感染拡大によって大きく増えていることから「感染症の長期化に伴い、事業継続を断念する企業が増えていることが伺える。雇用や所得に悪影響を与え、消費にマイナスに働く可能性がある」と話した。

 観光客の増加から感染拡大につながるパターンが繰り返されていることから、空港の水際対策を徹底するべきだと話した。「感染を抑えながら観光を中心に経済を回すためにも、感染がある程度落ち着いている今のうちにしっかり話し合う必要がある」と話した。

 【個人消費】緊急事態宣言の影響で外出自粛の動きが強まり、百貨店・スーパー全店舗販売額は前年同月比8.1%減、コンビニ全店舗販売額は同9.8%減だった。特別定額給付金の効果もあり自動車登録台数や家電大型専門店販売額は前年比で増加したが、増加幅は7月より縮小した。

 【観光】主要ホテルの客室稼働率は、那覇市内で19.5%、リゾートホテルで24.3%だった。ヒアリングでは「GoToトラベル」による割り引き効果の大きい高級価格帯のリゾートホテルの中には「10~11月の予約は感染症拡大以前より好調」という声もあるという。

 【住宅投資】新設住宅着工戸数は同41%減となった。