沖縄文化協会賞に仲村、照屋、重野の3氏 人物史、歌謡、奄美語など研究


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(左から)村顕氏、照屋理氏、重野裕美氏

 沖縄文化協会(波照間永吉会長)は15日、沖縄学の若手研究者を対象にした「沖縄文化協会賞」の受賞者3人を発表した。比嘉春潮賞に県立芸術大学付属研究所共同研究員の仲村顕氏(47)、仲原善忠賞に名桜大学上級准教授の照屋理氏(45)、金城朝永賞に奄美看護福祉専門学校非常勤講師の重野裕美氏(37)がそれぞれ選ばれた。

 仲村氏は琉球の伝統将棋「象棋(チュンジー)」や近代空手など多岐にわたる新資料を発掘し「琉球・沖縄の人物史の発掘と検証」が評価された。

 照屋氏は「南島の神名および歌謡の研究」に取り組み、研究テーマの独創性や地道な研究、学会への貢献が総合的に評価された。

 重野氏は、奄美語の敬語体系の総合的な分析を精力的に継続し、数多くの新たな知見を提示したことが評価された。

 波照間会長は受賞者について「生まれた土地に根ざした研究に取り組んでいる」と話し、今後のさらなる活躍に期待を寄せた。

 183人の候補者から受賞者3人が選考された。授賞式は11月28日午後1時から那覇市銘苅のなは市民協働プラザ2階で行われ、受賞者3人の研究発表も予定する。新型コロナウイルスの影響による国や県の緊急事態宣言が、11月8日時点で出ている場合は中止し、来年1月以降に別形式での授賞式や研究発表を検討する。