饒波青年団歌のCD制作 1930年代に作詞 情景や歴史歌い継ぐ 沖縄・豊見城


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
照屋堅二教育長(前列左端)にCDを寄贈した饒波自治会の上原武弘会長(中央)と関係者ら=12日、豊見城市教育委員会

 【豊見城】豊見城市饒波(のは)の饒波自治会(上原武弘会長)はこのほど、1930年代に作られ継承されてきた饒波青年団歌のCDを作成した。12日、上原会長や自治会関係者らが豊見城市教育委員会に照屋堅二教育長を訪ねCD3枚を寄贈した。上原会長は「この歌は饒波のみんなの体に染みついたものだ。これから区の行事の際に流していきたい」と述べた。

 1933年ごろ、饒波青年団に所属していた大城長貴さんが作詞したと言われる。当時、15~30歳の男女が青年団に所属し、区の作業前などに歌っていたという。饒波の情景や歴史を歌い、歌詞には「饒波川」や「長嶺校」(現在の長嶺小)などのフレーズが登場し、饒波区民にとってなじみ深い内容となっている。代々、楽譜がない状態で歌い継がれてきた。

 歌を覚えている世代が高齢になってきたことを受け、2019年9月に上原会長や有志らが団歌の録音作業を開始。豊見城市高安で音楽教室を運営する名嘉久美子さんが有志の歌を聞き、初めて同団歌の楽譜を作成し伴奏を添えた。「饒波の人の魂がこもっている歌で、歴史の継承に携われて光栄です」と名嘉さんはうれしそうに話す。

 市教育委員会文化課によるとCD化は市内で初。担当者は「戦前から歌い継がれてきた無形の青年文化で、県や市にとっても貴重だ」と評した。
 録音に参加した金城清栄さん(82)は「饒波の歴史をぜひ若い人にも知ってほしい」とPRした。

 CDは1枚千円(税込み)で饒波自治会の加入者に販売予定。問い合わせは上原会長(電話)090(6859)7745。

饒波青年団歌のCD