石垣の希少動植物、機内持ち込み防げ JTAが職員研修会


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機内手荷物や貨物として持ち込まれる動植物への対応などについて質問や意見が出たグループディスカッション=6日、石垣空港

 【石垣】日本トランスオーシャン航空(JTA)の石垣空港職員を対象にした希少野生・輸送禁止動植物の社内研修会が6日、同空港で行われた。航空機内手荷物や貨物に希少種の可能性がある動植物が持ち込まれる事例が多いことを受け、開催した。約30人の職員が参加し、関係法令や条例を学んだほか、搭乗客への対応について話し合った。

 JTA八重山支社によると、夏場を中心に機内への動植物の持ち込み事例は多い。一方で、希少種かどうかの判断が難しいことなどから、空港職員も対応に苦慮しているという。

 研修会では環境省石垣自然保護官事務所や石垣市、竹富町の担当者が関係する法令・条例について説明。環境省が作成を進める希少種の識別マニュアルについて、聴取を兼ねたグループディスカッションも行われた。

 グループディスカッションでは、職員からサンゴの持ち出しへの対応や、希少種としての認識の有無について、どこまで聴取をすべきかなどの質問や意見が相次いだ。

 搭乗客とトラブルになったり不快に感じさせたりすることへの懸念について、環境省の担当者は「(空港職員の対応は)希少種の持ち出しを止める抑止力になってほしいというのが目的だ」として、現場で可能な範囲での対応を依頼した。対応が難しい場合には、自然保護官事務所や警察などへの通報を呼び掛けた。

 参加した宇根裕美さん(41)は「よほど動植物に詳しくないと対応が難しい事例は結構多い。研修ではなぜ希少種が大事かを再認識した。さらに協力できるように私たちも知識を高めたい」と話した。