FC琉球、6試合ぶり勝った! 上里ミドルでトンネル突破


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 サッカー明治安田J2の第27節は17日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、FC琉球は松本山雅FCと戦い2―0で勝利した。7勝14敗6分けで勝ち点27で18位に順位を上げた。6試合ぶりに白星で、得点は3試合ぶり。無失点での勝利は9試合ぶりだった。次戦は21日、午後7時半から栃木県グリーンスタジアムで栃木SCと戦う。


距離20メートル超、好判断

FC琉球―松本山雅FC 後半、しぶとくボールをキープするFC琉球の上里一将=17日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 後半20分、中盤でボールを受けたMF上里一将は守備裏に抜けるFW風間宏矢が目に入っていた。ゴールまで20メートルを越える距離。パスの選択肢もあったが、相手守備を見てミドルシュートを選んだ。無回転のボールは一度バウンドしてゴールに突き刺さった。「GKのこぼれ球を宏矢が押し込んでくれるだろう」という無欲の先制点だった。

 前半からボールを支配したが、最後の詰めで攻撃の精彩を欠いた。ハーフタイムにミドルシュートを増やす約束事を決めて後半に臨み、結果が現れた。樋口靖洋監督は「決めごとを体現してくれた。ピッチでゲーム状況をコントロールしている」と上里の働きをたたえた。

 6試合ぶりの勝利まで苦しい状況が続いていた。特に前節はホームでほとんど決定機をつくり出せず敗退。「ホームで勝てていなかったので、どうしても勝ちたい試合だった」(上里)。前日のミーティングでは「一つになれば1勝が近づく」と声掛けして全員で意思の統一を図っていた。先制するとベンチに駆け寄り、全員と喜びを分かち合った。試合では球際の攻防やハードワークなど献身的なプレーでチームを助けた。試合後はサポーターに笑顔で深々と頭を下げる姿が印象的だった。「残りの試合で勝っていきたい」。チーム全員で勝利をつかみにいく。

(古川峻)