バスケットボールの第63回全沖縄高校選手権大会最終日は18日、宜野座村総合体育館で男女の決勝を行った。男子は豊見城が62―48で興南を破り、4度目の優勝で、3連覇を達成。優勝校は12月に東京で開催予定のウインターカップ2020第73回全国高校選手権への出場権を獲得した。
豊見城は夏の県総体決勝で延長の末に興南を破ったとはいえ、それまで高さでの不利を突かれゴール下を支配されてきた。そんなチームを守備やリバウンドの面で支えたのは、縁の下の力持ち、津田剛大と上地康椰だ。
興南のビッグマンは奥浜貫太と宮城真斗。奥浜に付いた津田は「練習時から奥浜を一人で守ることを前提にし、さらに宮城も一緒に守るために足腰を鍛えてきた」という。ポジション取りで体を張って簡単にゴール下にボールを入れさせず、宮城の力強いドライブもカバー。攻撃でも味方のカットインにタイミングを合わせてインサイドに飛び込み、得点を重ねた。
「守備とリバウンドの泥臭い部分を求められていた」と語る上地も有言実行。177センチと上背はそこまでないが、リバウンドで体を張ってボックスアウトする場面が目立った。
「優勝できると思ってなかった」と驚く嘉陽宗紀監督だが「精神面やチームワークを自分たちで高めてくれた」と選手を称賛。津田は「全国でもチームの勝利に貢献したい」と足元を見詰めた。
(長嶺真輝)
◆昨年のリベンジへ/エース渡久地
エース渡久地政睦は、昨年のウインターカップの最後の場面を忘れたことはない。2点ビハインドの残り数秒で放ったレイアップシュートは無情にも外れ、豊見城は初戦で姿を消した。「あれを入れていれば、3年生と勝てていたかもしれない」。
あの日を境に、バスケに取り組む姿勢が一変した。朝練習に一番早く来て、試合ではチームが苦しい場面で必ず自ら点を取りに行く。仲間に声を掛ける場面も増えた。「全国ではベスト8を目指したい」。まずは豊見城の歴史で初の全国1勝、そしてその先へ。チームを先頭で引っ張る。