特別支援学級の児童に教師が「邪魔」と発言 障がい者団体が沖縄県に抗議


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県教育庁学校人事課の屋宜宣秀課長(左)に抗議文を手渡す県自立生活センター・イルカの長位鈴子代表=21日、県庁

 障がい者の権利保護を求めて活動するDPI日本会議の沖縄県内加盟団体、県自立生活センター・イルカ(長位鈴子代表)は21日、県教育委員会を訪れ抗議文書を手渡した。今年6月、本島中部の公立小学校クラス担任の女性教員が、普通学級と一緒に授業を受けていた特別支援学級の児童らが騒いだ際「うるさいと思う人、邪魔だと思う人は手を挙げてください」と児童らに呼び掛けた発言を巡り、障がいの有無にかかわらず一緒に学ぶインクルーシブ教育の推進などを求めた。

 抗議文では「教員の言動は、障がいのある人とない人は違う場にいるべき人であるという間違った認識を持たせ、いじめや差別、虐待につながっていくもので、大変重大な問題を抱えている」と指摘した。

 県教育委員会に対して(1)現状の把握と原因分析を行うこと(2)教職員にインクルーシブ教育の研修を行うこと(3)障がいのない児童生徒と同じ学級で学べるよう障がい児童生徒の個別支援計画に盛り込み、家族や関係者を入れ定期的にレビュー(見直し)すること(4)教員と障がいのない児童生徒に対する障がい特性理解のための取り組み―の4項目を要望した。

 長位代表は「今回の問題は氷山の一角だ。個人の先生に責任を押し付けず、市町村の教育委員会任せにせず、どういう対策ができるのか県教育委員会が共に考えてほしい」と求めた。

 義務教育課の目取真康司課長は「(子どもたちを)不安な気持ちにさせたことを大変申し訳なく思っている。県教育委員会として、教員の人権尊重の意識やインクルーシブ教育の理解向上を図り、二度と同じことが起こらないよう取り組みたい」と述べた。