娯楽性あふれるショー、圧倒的な歌唱力で魅了 高良結香の沖縄公演


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ブロードウェーで磨いた美声を響かせる高良結香(左)=10日、沖縄市のミュージックタウン音市場

 沖縄県那覇市出身で米ニューヨークでも活躍する女優・歌手の高良結香のショー「ザ・ユカ タカラ・エクスペリエンス“トランスセンディング”」が10日、沖縄市のミュージックタウン音市場であった。ゲストにエアリアルパフォーマーの杉森茜を迎え、ブロードウェーで磨いたパフォーマンスを披露した。

 ダンサブルなナンバー「Haunted」で幕を開け、ダンサー2人を引き連れた高良は、客席後方からステージに上がり激しいダンスで観客をくぎ付けにした。「free to fly」では優しい歌声に合わせて杉森が、客席中央の高さ約2メートルの位置につり下げられたフープを使い、パフォーマンスをした。フープをつかみゆったりと体を持ち上げると、体を預けてゆっくり回転したり、頭を下にして両手でぶら下がったりした。しなやかな肢体から繰り出される美しい動きに、観客は息をのんだ。

高良結香(左下)の歌声に乗せてエアリアルパフォーマンスを披露する杉森茜

 10曲目の「今なら素直になれるよ」のMCで高良は、2001年の9・11同時多発テロを受けて、人生の優先順位を考えたことを振り返った。「人生何があるか分からない。今日をしっかり生きましょう」と語り掛け、前に一歩踏み出す大切さを記した歌詞を、思いを込めて歌った。

 終盤の「Stand Up Okinawa!!」は9人のダンサーと共に、豊かな表情とリズミカルな体の動きでブロードウェーさながらのパフォーマンスをみせた。続く「We Are Okinawa!!!」は観客もリズムに合わせて手を振り会場一体となり盛り上がった。

 コーラスと共にミュージカルの名曲「Seasons of Love」を歌い、最後は杉森をはじめ出演者総出で「special」を披露した。ステージ全体を通してのエンターテインメント性に加え、高い歌唱力が一つ一つの曲にいくつもの表情を感じさせた。演目が進むに連れて観客を引き込み、鮮やかにステージの幕を下ろした。
 (藤村謙吾)