沖縄で上演したかった ガレッジ川田さん 演劇「民宿チャーチの熱い夜」への思いを語る


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 東京の演劇ユニット「デッドストックユニオン」の初めての沖縄公演「民宿チャーチの熱い夜18 第1回沖縄ヒヤミカチ公演」(渡辺熱作・演出)が30、31日に沖縄市民小劇場あしびなーで開かれる。公演は毎年7月に東京で開催されているが、今年は新型コロナの影響で9月に延期し上演された。舞台に初出演した「ガレッジセール」の川田広樹の熱い思いで、沖縄公演の開催が実現する。川田に公演への思いなどを聞いた。(聞き手・田中芳)

「民宿チャーチの熱い夜18」について語る川田広樹=19日、那覇市泉崎の琉球新報社(ジャン松元撮影)

 ―出演するきっかけと、東京公演を振り返って。

 「横浜の鶴見を舞台にした映画『だからよ~鶴見』でご一緒した渡辺監督が沖縄への熱い思いを語ってくれた時に、もっと沖縄のことを一緒にやりましょうよと声を掛けてもらい『民宿チャーチ―』の東京公演へ出演させてもらった。舞台は東京で18年続いていて、東京にいる沖縄好きの人たちが集まるが、今回コロナで公演が延期になった。(その後開催した公演に)来てくれるか心配だったが、みんな来てくれていて。逆にやってくれてありがとうと言われて、それもうれしかった。沖縄をより誇りに思ったし、自分がウチナーンチュであることに感謝した」

 ―沖縄での開催が決まった経緯を聞かせてほしい。

 「終了後に監督が『いつか沖縄でやりたいよね』と言っていて。『やるんだったら今、行きましょうよ沖縄!』となった。偶然にも首里城の焼失から1年の節目に公演ができると知った時は鳥肌が立った。あい、来た来た来た~って。これ絶対やれって、ご先祖さまに言われているような気がした。演者は本土の人が9割くらいだけど、沖縄のことに詳しい。監督はじめ劇団の方たちの沖縄愛が強すぎて『ウチナーンチュうらやましいさー』とよく言う。僕はこの作品で沖縄の良さを再確認した感じ」

 ―物語や作品の見どころと、伝えたいことは。

 「沖縄の民宿を舞台に集まる観光客を描いている。コロナで仕事が無くなり東京から沖縄に帰ってきて、僕は落ち込んでいるんだけど、こんな時こそ「チムグクルよー」って言って。首里城が燃えて悲しいけど、先人たちは悲しみを乗り越えてきた、一緒に乗り越えようという話。ものすごくすてきなエンディングが待っている。見た人が必ず『頑張ろう』と絶対に思えると思う。ウチナーンチュが『やっぱり沖縄っていいんだ!』と作品を通して思ってくれるといい。沖縄公演のチラシには、公演への思いを書いた。おやじが1年前に亡くなった。大切な人との思い出というのは、心の中に永遠にある。そういうのもあって、沖縄で絶対やるって決めた。おやじも見に来てくれると思う」


 「民宿チャーチの熱い夜18 第1回沖縄ヒヤミカチ公演」は30日午後7時、31日午後1時、午後5時半に、沖縄市民小劇場あしびなーで開かれる。チケットは前売り3千円(当日500円増し)。入場料とは別に公演を応援する返礼品付き「ヒヤミカチケット」(7千円)もある。問い合わせは同劇場(電話)098(934)8487。

 ヒヤミカチケットの取り扱いは下記QRコード(デッドストックユニオンオンラインチケットサービス)を参照。

 

https://www.quartet-online.net/ticket/ch18okinawa