全国初「視察クラスター」か、沖縄自民県議新たに9人感染 「会食5人未満」呼びかけの中


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 自民会派の県議団18人が18~21日に先島地方を視察した後に、県議1人が新型コロナウイルスに感染した件で、県は23日、新たに9人の感染が確認されたと発表した。視察した県議団の感染者数は22日に陽性が判明した座波一氏(60)に加え計10人となり、県は県内で24例目となるクラスター(感染者集団)に認定した。県によると「視察クラスター」は全国初とみられる。県議団の10人を含め23日の新規感染者は46人だった。

県が報道機関に提供する新型コロナウイルス感染者に関する資料。職業欄には「議員」が続く=23日

 23日に陽性が確認された議員は新垣淑豊氏(45)、島尻忠明氏(54)、西銘啓史郎氏(62)、大浜一郎氏(58)、又吉清義氏(62)、末松文信氏(72)、中川京貴氏(58)、照屋守之氏(64)、仲田弘毅氏(72)の9人。いずれの症状も確認中だが、22日時点では無症状だった。視察に参加した県議は他に8人おり、7人は陰性が確認された。宮古病院でPCR検査を受けた残り1人の結果は26日に判明する見込み。

 県議団は与那国町と石垣市、宮古島市を視察し、地元の首長や議員らと懇親会を開催していた。居酒屋などを訪れていたことも確認されている。酒席で泡盛を回し飲む宮古島の伝統作法「オトーリ」の実施は確認されていないという。県は感染の広がりを受け、会食を5人未満とするよう対策を呼び掛けていた。

 県は「グループで行動した中で感染が広がっている」として、視察という行動自体をクラスターと認定した。居酒屋で感染が広がった可能性もある。視察団との濃厚接触者の人数や立ち寄り先などの行動歴は保健所が調べている。

 県によると、23日に陽性が判明した9人の発症日は同日時点で分かっていないが、21日に症状が出た座波氏から感染が広がったとみられる。9人はいずれも座波氏との接触で感染したと推定される。座波氏の感染経路は調査中で、視察前後に感染した可能性があるという。

 県の糸数公保健衛生統括監は「必ずしもそこ(飲食店)で広がったか分からないが、(感染予防策を)啓発したい」と述べ、対策をさらに周知する必要性を指摘した。