捨てないパイナップル…葉からデニムやシャツ 大宜味の企業が技術確立


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パイナップル葉から取り出した繊維を使って作られたデニムやシャツなどの衣服=23日、東村の沖縄産業開発青年協会体育館

 食品関連開発・販売のフードリボン(大宜味村、宇田悦子社長)は23日までに、果実の収穫後に大量に廃棄されていたパイナップル葉から、繊維を取り出すための機械を東村の青年協会内に設置した。衣服などへの再利用に活用する。パイナップル葉の残さを用いて生分解性ストローなどを製造する技術を確立したことも発表した。

 「KISEKI LABEL(キセキレーベル)」のプロジェクト名で、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとして進めていく。同社によると、パイン収穫後に廃棄される葉のうち1%からアパレル製品の原料となる繊維が取り出され、残り99%の残さも堆肥や生分解性製品などの原料として有効活用できるという。

 葉の繊維を使った生地はフィリピンなどでも作られているが、手作業で繊維を取るため量産化が課題だった。同社は機械で繊維を取り出す方法を確立することで、量産化を可能にすることを目指している。

 23日の発表会では、残さを生分解性樹脂と配合してストロー製品などを製造する技術も報告し、繊維からできた衣服などと共に展示された。

 今後はパイナップル葉を提供する沖縄美ら島ファームと協力して残さを堆肥として再利用し、「葉を捨てないパイナップル」として新たなパインをブランド化していく予定だ。

 宇田社長は「世界に向けて環境に優しい、意義のある事業を発信していきたい。沖縄のブランドとして発信していくチャンスだ」と意気込みを語った。