自民県議クラスターで与党「宴会信じられぬ」中立「水際対策機能せず」


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明
沖縄県議会の石看板

 沖縄・自民会派の県議団18人による先島地方への視察後、県議10人の新型コロナウイルス感染が分かり、クラスター(感染者集団)となったことに対し、県議会の与野党各会派からは「県民の批判は避けられない」「人数分散など配慮すべきだった」などの指摘がある一方、「水際対策が機能していないことも明らかになった」などの声が上がった。

 仲村未央氏(沖縄・平和)は「ウィズコロナの社会ではこのようなことも起こりうる。感染の仕方は分かっている。マスク着用や3密を避けるなど、対策を徹底して活動するほかない」と、感染防止対策徹底の必要性を指摘した。

 渡久地修氏(共産)は少人数での会食などを呼び掛ける県の注意報下であり、「大規模な宴会を開き、クラスターが発生した。信じられない事態だ。感染防止の先頭に立つべき者として県民の批判は避けられないだろう」と述べた。

 瑞慶覧功氏(てぃーだネット)は「重症化しないでほしい」と感染者の健康状態を気遣う一方、「県民からすると、県議会は先頭に立ち、感染拡大を抑える立場だ。信頼を損なうのではないか。とても残念だ」と語った。

 平良昭一氏(おきなわ)は「現地視察を県民に求められれば、やらざるを得ない時もある。ただ、会議のみで会食を避けるやり方はあったはずだ。4人以上の会食を避けるという県の方針を守るべきだった」と指摘した。

 金城勉氏(公明)は「視察活動は議会で大事な仕事の一つだ。人数の分散など、もう少し慎重に気を配る必要があった」とした上で「議員はコロナ対策で範を取るべき立場で県民のお叱りを受けるのも覚悟しないといけない」と述べた。

 當間盛夫氏(無所属の会)は「サーモグラフィーで(感染が)分からなかったことで、水際対策が機能していないことを明らかにした。県は那覇空港で、出発前に抗原検査をすることが必要ではないか」と指摘した。