JAおきなわ13店閉店 地域困惑「生活不便に」


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明

 【中・北部】JAおきなわの店舗再編に伴い信用事業を扱う県内13店舗が23日で閉店した。各店舗は肥料などの資材販売のほか、銀行の支店が少ない本島北部では地域の金融機関としての役割も担ってきた。閉店した地域の利用者からは名残惜しむ声や、「車を運転できない高齢者などは困る」と困惑する声が上がった。

 本島北部では4店舗が閉店した。恩納村の山田出張所では午後3時の営業終了を前に住民が訪れていた。閉店後は週数回訪れる移動金融店舗車両と、現金自動預払機(ATM)で金銭を取り扱う。安富祖区の70代女性は「ATMを扱えない高齢者もおり、不便になる」と案じる。

 南北に長い恩納村で、山田出張所は村南部をカバーしていた。JAに予算を預けている自治会や老人会なども多い。山田区の比嘉茂区長は「年金で利用している高齢者も多かった。今後は(約10キロ離れた)恩納支店まで行かなければならない。跡地も農家に利用できるものにしてほしい」と求めた。

 名護市の辺野古出張所もATMだけを残して久志支店に統合された。古波蔵太区長は「JAもいろいろと考えた末の判断だろう。残念だがやむを得ない」と理解を示す。一方で「農家も農薬や肥料が近くで買えなくなる」と懸念した。

 中部地区では7店舗、南部でも2店舗が最終営業日を迎えた。読谷村の楚辺出張所には朝から職員OBや利用者が駆け付け、別れを惜しんだ。