材料厳選、カカオとキビのチョコ タイムレス、産業まつり食品県知事賞 


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沖縄の産業まつりで県知事賞を受賞したタイムレスの林正幸代表(写真左)と野村雄太さん=24日、那覇市のパレットくもじ前広場

 北谷町のチョコレート専門店タイムレス(林正幸代表)は、原材料がカカオ豆と県産サトウキビだけというシンプルさを突き詰めた商品「カカオ豆とサトウキビのチョコレート(インドネシア産カカオ豆72%・伊平屋産純黒糖28%)」で、特産品コンテストの最優秀賞に当たる県知事賞(食品部門)を受賞した。審査員からは「県産サトウキビの味わいを引き出した、他に類を見ないチョコレート」(髭白晃宜審査委員長)と評価され、同店は今後、海外進出も目指す考えだ。

 バリスタでもある林代表が世界各国を旅した後に、約7年前に沖縄に移住した。「コーヒーに合う黒糖」を探し求め、沖縄の島々の黒糖をテイスティングして回ったという。島ごとの土壌や気候で味が異なるサトウキビの奥深さに魅せられ、自ら畑を耕し、サトウキビの研究を進めた。

 その後、カカオ豆を自家焙煎(ばいせん)し、県産黒糖を合わせてチョコレートをつくる技術を確立。2016年に北谷町でタイムレスをオープンした。

 市販されているチョコレートは油脂や乳化剤、保存料などさまざまな成分を加えてつくるのに対し、タイムレスはシンプルに素材本来の味を生かす「引き算のチョコレートづくり」(林代表)にこだわる。固定ファンも多く、県内外で注目を集めている。

 横浜出身の林代表は「地元に認められるようになりたいと頑張ってきた」と県知事賞を喜びつつ、視線は新たな挑戦に向かう。

 「チョコレートを通して、沖縄の黒糖づくりの文化を将来に受け継いでいきたい。サトウキビの原料に特化した唯一無二の商品を今後もつくりたい」と力を込めた。