沖水の内盛・宜保ペアが九州V 中盤に追い上げ執念のゴール カヌー九州スプリント


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C2決勝 力強いこぎで優勝した内盛真音李(後方)・宜保智輝ペア

 カヌースプリントの九州選手権兼九州高校新人大会兼九州中学校・小学校大会が24、25の両日、大分県の真玉カヌー場で行われた。高校男子カナディアンペア(C2)500の内盛真音李(まおり)・宜保智輝組(沖縄水産)が2分00秒08で優勝を果たした。中学男子カナディアンシングル(C1)500決勝で平良一喜(いちき)が2分29秒16で2位に輝いた。

 沖縄水産の内盛真音李(まおり)・宜保智輝がカナディアンペア500で九州の頂点に立った。予選を1位で通過し決勝進出を決めた。2人のレースは中盤に追い上げ、ラストスパート逃げ切り型というイメージ通りの展開となった。

 決勝は最終盤が勝負の分かれ目になった。内盛は「追い上げながらこの距離なら“さす”ことができると思っていた」と目視ではほぼ同時の0・48秒差でゴール。宜保も「最後は意地と執念だった」と歓喜した。

 宮国志匠や山田義人ら大学生で現役選手の沖水OBが沖縄に戻ってきた際に指導を受けた。「艇が進まず、かじも取れない状態から一緒に技術指導してくれたおかげ」と感謝する。

 日頃から走ってこいで、筋力トレーニングを繰り返す日々。2人は「情熱を持った監督がいるおかげ。また次に向けて頑張れる」と声を弾ませた。

 その平良祐喜監督は「九州では、ここ何年か勝たせてあげられていなかった。先輩たちの分までよくやってくれた」と声を詰まらせつつ2人をたたえた。

中学C1決勝 気合の入ったこぎで2位に入った伊良波中の平良一喜=25日、大分県の真玉カヌー場

◆伊良波中平良 C1 2位

 平良一喜(いちき)(伊良波中3年)がカナディアンシングル中学生の部で2位に輝いた。ラスト20メートル。最後の最後で追い抜かれ、1秒遅れでゴールした。「悔しすぎて誰ともしゃべりたくなかった」と意気消沈。「最後の100メートルを全力でスパートするはずが、力が入らなかった」と体力不足を悔やんだ。

 沖水の先輩にただ一人混じり、共に練習し力を伸ばした。父親で沖水の平良祐喜監督は「初めて悔し涙を見た。成長した証し。普段気が緩んでいる部分もあるので、スイッチが入ってくれれば」と静かに語った。