経済界「大同団結」求める 下地氏の復党要請 県連「党内や公明にも反発の声」


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 次期衆院選に向け、保守分裂が続く沖縄1区での候補者一本化を求めてきた経済界の有志が下地幹郎衆院議員=無所属=の自民党への復党を求め、自民党県連に直談判した。経済界が公の場で下地氏の復党を求めるのは初めてで、解散総選挙のタイミングが刻々と近づく中、経済界が掲げる「保守中道の大同団結」に向け県連側に本気度を示した格好だ。

 「自民県連だけでは選挙に勝てない」。県連への要請の席上、口火を切った国場組会長の国場幸一氏は自民党が支援する候補者の負けが続く国政選挙や知事選を振り返り「大局的な判断」を県連に求めた。

 ただ、下地氏を巡り、国場幸之助衆院議員=自民=が支部長を務める沖縄1区支部は下地氏の復党に反対する姿勢を鮮明にしている。県連全体でも下地氏復党に難色を示す声は多く、県連所属の県議、国会議員で構成する常任総務会で採決となれば復党「反対」が過半数となる見込みだ。

 そのため、県連内では、経済界との関係に配慮し、県連としての考えは示さず、党本部に一任すべきだとの声もある。

 県連関係者の一人は「県連も経済界が掲げる保守中道勢力が大同団結する必要性は認識しているが、下地氏復党への反発は自民だけではなく、友党の公明を含めて相当ある。ただ、2年後の知事選などを考えると経済界の意向を無視するわけにはいかない」と難しい立場に置かれている現状を吐露した。

 一方、当事者である下地氏がいつ復党願を提出するかも焦点の一つだ。下地氏は後援会や経済界の動きを念頭に、近く判断を下す考えを示している。下地氏周辺では、自民党に復党を果たした上で比例単独出馬や他の選挙区へのくら替えなど、さまざまなシナリオがささやかれ、水面下の動きが活発化している。
 (吉田健一)