今帰仁王子を祖とする3門中が一つに 改葬合祀の式典を開く 名護市真喜屋


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
納骨の式典で3門中の先祖に手を合わせる上原吉二さん(前列左から2人目)ら一族=14日、名護市真喜屋

 【名護】尚真王(1465―1527年)の三男・大宗朝典(今帰仁王子)を祖とする名護市の3門中「嵩川引(たきがわびき)」「ひやがい引」「上原引」は14日、市真喜屋の墓地で改葬合祀(ごうし)の式典を開いた。これまで屋我地島の済井出(すむいで)区にあった上原引の墓を真喜屋の2門中の墓に合祀し、歴史ある3門中が一つになった。

 一族によると3門中の系譜は朝典の孫の朝嵩にさかのぼる。朝嵩から6代目の3兄弟が17世紀に三つの門中に分かれた。上原引は済井出、饒平名の一帯を任され150~200年間治めたという。合祀は一族の念願。離れた墓の管理が困難になったこともあり合祀を決めた。約50人が集まり、一つの墓に納められた先祖に手を合わせた。

 上原引の上原吉二さん(67)=市川上=は「済井出での長年のお務めご苦労さまでした、という気持ち。肩の荷を下ろし親兄弟とゆっくりしてほしい」と語った。嵩川引の喜納正雄さん(77)=市仲尾次=は「3門中がまとまった。一族の集まりも行いやすくなる」、ひやがい引の宮城賢一郎さん(80)は「合祀できて感謝している」とそれぞれ話した。
(岩切美穂)