菅首相、沖縄振興の延長に初言及 島尻元沖縄相と1日面談、動画で紹介


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 現行の沖縄振興計画が2021年度で期限が切れることに伴い、県は22年度からの次期振計の制定を国に求めている。10年前の参院議員時代に「自民党沖縄振興に関する特別委員会」事務局長として現行振計の策定に関わり、菅義偉首相とも近い関係にある島尻安伊子元沖縄担当相に次期振計の見通しや県の対応を聞いた。

自民党沖縄3区の島尻安伊子支部長

 ―次期振計の見通しは。

 「3日に開催した私の政治資金パーティーで、1日に菅首相と面談した際の動画を流した。菅首相は動画で次期振計について『沖縄の皆さんが安心して生活できるような方向に作っていきたい』と述べていた。首相になって振計の延長に言及したのは初めてではないか。今の時点でどうなるとは言えないが、菅首相は沖縄に相当思いがある」

 ―島尻氏は現行振計にどう関わったのか。

 「10年前は民主党政権で野党自民党の県選出国会議員は私一人だった。特別委事務局長として当時の仲井真弘多県政と連携して取り組んだ。与党議員を訪ね回って、沖縄側の要望を伝えた」

 ―当時と比べて今の県の対応はどうか。

 「県のリーダーシップがなかなか見えてこない。仲井真県政が21世紀ビジョンをつくるとき、各団体やさまざまな人に相当幅広く意見を聞いていた。振計制定から50年たった。国も国民も沖縄が新たな何かを生み出すことを期待していると思うが、今は具体的には見えてこない」

 ―沖縄振興特別交付金(一括交付金)は民主党政権時に創設された。次期振計でも維持するか。

 「現時点では分からないが、近年は県を通さないで市町村に直接補助する国直轄事業の金額が増加している。その動きを見ると、おのずとどうなるかは見えてくるのではないか。県の権限が減るかもしれない大きな問題だ。跡地利用推進特別措置法(跡地法)も21年度で期限が切れる。継続は絶対に必要だが、単純延長ではなく改良の余地がある」