希少動植物31種を決定 沖縄県保護条例が来月から施行 外来種9種も


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 沖縄県は29日までに、11月1日に施行する「県希少野生動植物保護条例」で規制対象とする希少動植物31種、指定外来種9種を決定した。沖縄には「種の保存法」などでは規制が及ばない希少な固有動植物が多数いるため、保護を図るため独自の条例を制定した。2019年10月の県議会で成立し、対象種を絞り込んでいた。違反すれば1年以下の懲役か100万円以下の罰金を受ける場合もある。外来種9種は周知期間を設け、21年4月から適用対象(施行)となる。

 指定希少生物は11月から捕獲や採取、殺傷や損傷が禁止される。違法に捕獲した個体の譲り渡しも禁止。指定外来種は野外に放ったり、植えたり、種をまいたりすることを禁止する。飼養、栽培する場合は届け出が必要となる。

 指定する希少動植物はヤエヤマイシガメ、ケラマサワガニ、イリオモテラン、オキチモズクなど。国指定天然記念物のヤンバルクイナなどは既に種の保存法などで保護されているため、対象としなかった。指定外来種はイノシシ、ニホンイタチ、インドクジャクなど。

 県はこれまでも希少動植物保護条例の制定を検討してきたが、頓挫していた。だが、やんばると西表島の世界自然遺産登録に向けた審査が進む中、アピールポイントとしても条例制定の作業を加速させ、19年10月に可決した。対象種は県自然環境保全審議会の意見を踏まえて決めた。希少動植物は特に保護を図る必要性の高いもの、外来種は希少野生動植物の生態系に影響を及ぼすものを選んだ。
 (島袋良太)