玉城沖縄知事が首里城視察、「防火・管理にしっかり取り組む」


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世誇殿で映し出された映像コンテンツを見る玉城デニー知事=30日午後、首里城公園

 31日で首里城火災から1年を迎えるのを前に、玉城デニー知事は30日夕、那覇市の首里城公園を訪れ、大龍柱の補修作業や新たに設置した首里城復興展示室、デジタル映像の上映設備を整備した世誇殿などを視察した。玉城知事は「管理者としての責任を重く受け止め、防火対策や管理体制の在り方も検討し、安全性の高い施設の管理体制を構築していきたい」と説明した。再発防止に向けた思いを新たにするとともに「見せる復興」で県内外にアピールしていく考えを示した。

 玉城知事は1年前を振り返り「(出張先の)韓国から帰ってきてまだ煙っている泰神門から中に入ったとき、言葉にならないというのはまさにあのことだった」と語った。国内外から復興支援の言葉や寄付が多数集まったことに「改めてお礼を申し上げる」と話した。

 国や県が掲げる「見える復興」に向け、女官居室には首里城の歴史を学べるタブレット端末を設置した。復興展示室には正殿屋根にあった獅子瓦の残存物などを展示している。

 玉城知事は「多くの人々が燃え残っている瓦や飾りなどを見て、次の首里城は防火設備もしっかりと備えた施設になってほしいと思うはず」と説明。「私たちも当然、管理体制を強化して火災によって焼失することがあってはならないという強い気持ちで防火体制、管理体制にしっかり取り組んでいく」と述べた。

 城郭からの景色やデジタル映像などを通して、県民や観光客に楽しんでもらえると話した。