「あわもり君」一人マラソン 久米島大会予定日に敢行 那覇の鈴木さん 念願のラン、住民も声援


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泡盛の着ぐるみ姿で一人マラソンに挑んだ鈴木一人さん=10月25日、久米島町内

 【久米島】久米島に泡盛の着ぐるみで突如現れた男性。彼は北海道出身那覇在住の鈴木一人さん(45)だ。10月25日は久米島マラソンの日だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響により中止になった。鈴木さんは島民に「25日が久米島マラソン大会の日だったことを思い出してほしい」と町民に元気を与えるべく一人マラソンに挑んだ。

 鈴木さんは今回が久米島初来島。久米島マラソンには毎年出たいと思っていたが、沖縄産業まつりと重なることが多く、仕事の関係上断念してきた。今年は出展しなかったので「久米島に行きたい」と思い、来島が実現した。

 24日、久米島空港に到着後、早速空港からイーフビーチの距離約30キロを走った。そして25日にも島内を走った。

 泡盛の着ぐるみで走る鈴木さんに、島民は、手を振ったり、声援を送ったりし励ました。鈴木さんは「みんなから勇気をもらい、島民を笑顔にできたと思う」と話した。また島の人たちも「元気がもらえた」「次はぜひ、久米島マラソンに参加してもらいたい」などとメッセージを寄せた。

 鈴木さんの着ぐるみには前面に「琉球泡盛 あわもり君 アルコール度数45歳」、背面には(1)絶対に歩かない(2)転がっても完走する(3)立ち小便をしない(4)笑顔でハイタッチ(5)リタイヤしない―とソーシャルディスタンスを保った決意表明を書いて走った。

 着ぐるみの胸元には小型カメラを設置。島民との出会いをカメラに収めながら走るという、心温まるマラソンを実施してくれた。新型コロナウイルスの影響で島から出られない人が多く、自由が制限されている中、久米島に元気を与える走りを見せた。

(山口英憲通信員)