浦添市長「拒否貫く不利益恐れた」 那覇軍港移設「北側」容認で説明会


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那覇軍港移設で北側案を受け入れた経緯について市民に説明する松本哲治浦添市長=31日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホール

 【浦添】浦添市は31日、市政に関する市民説明会を同市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールで開いた。松本哲治市長が米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設を巡り、自らの公約を撤回して代替施設の北側配置案の受け入れを表明したことについて「軍港移設は浦添だけでは決められない。国、県知事、那覇市長が『浦添に移設してもらいたい』と言っている中で私が(北側案の)拒否を貫いた場合、(浦添市にデメリットの多い)現行計画のまま進む。それを恐れた」と説明した。公約撤回への謝罪はなかった。

 説明会には市民185人が参加し、松本市長らが市民の質問にも答えた。

 松本市長は那覇軍港の浦添市移設反対を掲げ2013年に初当選したが、任期中に移設受け入れに転じた。17年の市長選では後に南側案となる新たな案を掲げて当選したが、今年8月に北側案の受け入れを表明した。説明会で松本市長は新聞報道を引用しながら軍港移設の経緯を振り返った。

 市民からは「市長の説明は言い訳がましく聞こえる」と厳しい指摘もあった。その他、米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)返還後の跡地利用や新型コロナウイルス対策などについて市民と議論を交わした。