嶋野 雅明 
県高校新人大会は３１日、柔道や体操、バスケットボールなど１４競技が各地で行われた。相撲は中部農林が団体５連覇を果たした。個人も全４階級で中部農林勢が優勝した。
「得意の形」から切り返し
８０キロ級はリーグ２勝１敗同士の與那覇大地（中部農林）と金城周（北部農林）が優勝決定戦へ。與那覇はリーグ初戦、金城に立ち合いの勢いを利用され、うつぶせに引き落とされていた。「いつも勝っている相手に負けた。もらったチャンスで勝たないといけない」と土俵に立った。
頭からぶちかましたが、初戦と同じ展開にはさせなかった。３年生の木﨑誠仁の「上体だけで行くな。足から行け」という助言を受けて踏みとどまる。腕を引いて相手の体勢を崩すと、すかさず右手で前みつをつかみ、頭を胸に入れた。「得意の形になった」と、寄せながら重心が傾いた方向へ切り返した。
１６８センチ、７６キロ。軽量級で数多く優勝してきたが、県総体は中部農林の同級生の東黒島治将に敗れ、悔し涙を流した。
それから、ゴムチューブを使って引きつける腕力をつけ、相手の重心をずらす足腰の使い方を覚えた。「人よりもたくさん稽古した」と自信を持って臨んでいた。
優勝を決めると口を一文字に結び、気持ちを落ち着かせた。全国中学選手権の軽量級で準優勝の経験もあり「目標は日本一なので、沖縄では負けられないと思っていた」とホッとした表情だった。
（古川峻）
玉城 無差別Ｖ、小さな相手に駆け引き成功
○…無差別級の決勝。玉城頼（中部農林）は身体の一回り小さな與那覇大地（同）を立ち合いでいなした。「うまいあんばいで駆け引きができた」。まわしの取り合いで左を差して右上手を取る。得意の四つにもちこむと、上手投げで與那覇を土につけた。
「自信がなかった」と今大会はほとんどの立ち合いで正面からぶつかることはなかった。部活休止中、「身体がむかむかした」とエネルギーを持て余して、体重は１２０キロから１０キロ減。ようやく仲間の胸を借りて稽古ができるようになったところで、「これから力をつける」と意欲をたぎらせる。
伝統校の主将を任され「学ぶことがたくさんある。楽しんでやりたい」と部員を引っ張る。
自分の相撲できた
中高通して初めて個人で県大会で優勝した１００キロ級の東黒島和将（中部農林１年） 自分の相撲ができてうれしい。皆のかけ声があって力が出て、立ち合いで思いっきり当たって前に出た。身体を柔らかくして、九州大会で優勝を目指す。
押し相撲で勝てた
個人戦１００キロ超級で優勝した島袋偉海（中部農林１年）の話 自分のペースのまま押し相撲で先輩に勝てた。立ち合いでいなしてくることは分かっていた。九州に向けて２４時間相撲を考えて、１年生らしく荒々しい相撲で勝ちたい。
（中部農林高相撲場）
▽団体戦決勝
中部農林 3―0 北部農林
▽個人戦80キロ級決勝リーグ
與那覇大地（中部農林） よりきり 東黒島治将（中部農林）
與那覇 おしだし 山城希友斗（中部農林）
金城周（北部農林） ひきおとし 與那覇
金城 よりたおし 山城
東黒島 ひきおとし 金城
山城 かいなひねり 東黒島
▽同順位 （1）與那覇2勝1敗（2）金城2勝1敗（3）東黒島1勝2敗（4）山城1勝2敗（1・2位と3・4位は順位決定戦による）
▽同100キロ級決勝リーグ
東黒島和将（中部農林） よりきり 澤岻蓮（北部農林）
東黒島 おしだし 清水孝乃伸（北部農林）
澤岻 おしだし 清水
▽同順位 （1）東黒島2勝（2）澤岻1勝1敗（3）清水2敗
▽同100キロ超級準決勝
玉城頼（中部農林） おくりだし 仲宗根龍（中部農林）
島袋偉海（中部農林） おしたおし 新田将大（中部農林）
▽同3位決定戦
仲宗根 したてなげ 新田
▽同決勝
島袋 おしだし 玉城
▽同無差別級準々決勝
玉城頼（中部農林） よりきり東黒島和将（中部農林）
東黒島治将（中部農林） おしだし 島袋偉海（中部農林）
與那覇大地（中部農林） よりきり 山城希友斗（中部農林）
仲宗根龍（中部農林） うわてなげ 新田将大（中部農林）
▽同準決勝
玉城 よりきり 東黒島
與那覇 うっちゃり 仲宗根
▽同3位決定戦
仲宗根 おしたおし 東黒島
▽同決勝
玉城 うわてなげ 與那覇
