県高校新人大会は31日、柔道や体操、バスケットボールなど14競技が各地で行われた。ソフトテニス団体は男子が名護、女子は八重山がそれぞれ2連覇した。
名護、掛け声は途切れず 主体性増し自信
「相手はストレートを狙うかもしれないけど、もう一度飛び出していい」。ファーストサーブがネットに当たり、打ち直す前のタイミングで、名護主将の花田悠馬が前衛の平良悠翔に小声で伝えた。攻撃的なプレーでプレッシャーをかけると、八重山のレシーブがネットにかかり、その瞬間に団体優勝が決定。「しゃあっ」。控えメンバーも含め、全員がガッツポーズして喜びを爆発させた。
最後まで続いた2人の密なコミュニケーションは、名護の変化を象徴していた。「しぶとくしぶとく」「一点集中」。
これまで試合中の声掛けが控え目だった名護だが、今大会は常にコート内外から選手を鼓舞する声が飛び交った。
きっかけは決勝で八重山に敗れた夏の県高校総体。備瀬太裕監督は「楽しそうにプレーする八重山を見て、もっと主体性が必要だと感じた」と、練習メニューやペアの組み合わせを選手に任せるようにした。
花田主将は「みんなが自分で考えてプレーするようになり、能力も上がった」と成長を実感した様子。平良も「勢いで相手をのみ込もうと声を掛け合った」と晴れ晴れとした表情を見せた。
(長嶺真輝)
八重山、固く受け身に 2連覇も満足せず
圧倒的な強さで2連覇を飾った女子の八重山。ただ、全国を舞台に活躍した絶対的エースの一人だった吉川小百合が3年となり、高嶺享史監督は「吉川が抜け、みんなが『自分は負けられない』と固くなり、受け身になってしまった」と満足しなかった。
決勝リーグ最終の知念戦で、4―3で粘り勝ちした平得倖菜は「優勝は良かったけど、風が強い中でただ返すだけになってしまった」と反省しきり。ペアを組む岡田茉里那は来年1月の九州大会に向け「まず反省し、つなぐプレーを伸ばしながら攻めるプレーに挑戦したい」と誓った。