渡嘉敷島で長寿を祝うカジマヤー 数え97歳の女性が語った言葉


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カジマヤーパレードで沿道の住民に笑顔で応える稲守信子さん=10月23日、渡嘉敷村渡嘉敷(提供)

 【渡嘉敷】渡嘉敷村で数え97歳のカジマヤーを迎えた住民の稲守信子さん(96)(屋号=新仲・ミーナカ)のパレードが10月23日、渡嘉敷区内で行われ、地域挙げて長寿を祝った。

 パレードに先立ち、座間味秀勝村長が稲守さんの自宅を訪れ、村からの祝い金を贈った。小雨の中、村が用意したワンボックスカーでパレードがあり、風車を手にした大勢の住民が長寿にあやかろうと沿道に繰り出した。稲守さんも住民の祝福に笑顔で手を振って応えた。

 稲守さんは、1924年(大正13年)渡嘉敷村渡嘉敷区で生まれ育った。沖縄戦で、母のウタさんと姉の久江さんを亡くし、1人で戦禍を生き延びたという。「戦争さえしなければ、どんなに貧しくても人は生きていける」と優しい声で力強く語った。

 5年前に島に戻った一人息子の清昭さん夫婦と共に暮らす。稲守さんに長生きの秘訣(ひけつ)を聞くと「野菜を自分で作って食べる。毎日、新聞や本を読むのが楽しみ」と元気な声で目を細めた。

(米田英明通信員)