県内完工高 最高5744億円 商工リサーチ 大型土木工事が堅調 19年度建設ランキング


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 東京商工リサーチ沖縄支店は2日、県内建設業の2019年度完成工事高ランキング(年間10億円以上、19年4月~20年3月期)を発表した。ランク入り企業は前年度比2・2%減の218社と6年ぶりに減少したが、完工高総額は同5・4%増の5744億4400万円で過去最高を更新した。那覇空港滑走路増設などの大型土木工事を中心に公共工事が堅調で、ホテルなど民間の大型工事も好調だったことから総額が増加した。

国場組、35年連続首位

 一方で、20年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け民間工事は減少傾向にあり、ホテル建設が着工前に中断するなどの動きも現れているという。公共工事は一定程度堅調に推移するとみられるが、地価や建築単価の高騰によって住宅投資も弱い動きになっていることから、担当者は「20年度の完工高総額は19年度を下回る可能性が高い」とみている。

 19年度は上位10社がいずれも増収となり、合計完工高は同13・9%増の1633億9700万円。完工高総額に占める上位10社の割合は同2・1ポイント増の28・4%だった。

 首位は35年連続で国場組。下地島空港ターミナルビルの建築や、那覇空港滑走路増設、米軍キャンプ・シュワブ沖埋め立て工事などで同6・6%増の347億3700万円だった。2位は13年連続で沖電工、3位は3年連続で屋部土建の顔触れとなった。

 8位の上門工業はホテルや分譲マンション、中学校校舎の新増改築などで同84・5%増と大幅に完工高を伸ばし、2年ぶりにベスト10に入った。新設1社を除いた、217社のうち増収は148社で68・2%を占めた。減収企業は69社だった。完工高が10億円未満となりランク落ちしたのは39社だった。