「首里と同じ香りの泡盛に」咲元酒造が「琉球村」で再始動 工場老朽化で移転 沖縄・恩納


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蒸し米機へ黒麹を散布する咲元酒造の佐久本啓社長=1日、恩納村の琉球村

 【恩納】1902年創業の老舗酒造所、咲元酒造(佐久本啓社長)はこのほど、那覇市首里から、恩納村の観光施設・琉球村内に移転した。1日、新工場で初めて泡盛の仕込み作業が行われ、2年半ぶりに泡盛づくりが再開した。今後は伝統の味を守りながら泡盛文化を発信していく。

 泡盛の消費減少や工場老朽化に伴い事業継続を模索する中で、琉球村を運営する多幸山(上地栄一社長)から打診を受け、恩納村への移転を決めた。2017年12月に多幸山などの「うえちグループ」入りし、段階的に進めた移転が今年3月までに完了した。

 新築した工場の床面積は976平方メートル。貯蔵タンクは計22万リットルを収容する20基で、床面積・貯蔵量ともに倍以上に増えた。ガラス越しに製造工程を見学できる仕組みも導入した。

 1日、仕込みの最初の工程である蒸し米機への黒麹(こうじ)散布を終えた佐久本社長は「首里と同じ香りがした。これなら伝統の風味と香りが出せる」と手応えを語った。

 琉球村は新型コロナウイルス対策で当面、金~日の週3日営業となる。

 咲元酒造の見学ツアーは午前9時半から2時間おきに4回行う。問い合わせは琉球村(電話)098(965)1234。