「メダル目指したい」 新城幸也が東京五輪代表に正式決定 自転車ロードレース


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オンライン会見で東京五輪への思いを語る新城幸也=4日

 日本自転車競技連盟は4日、東京五輪のロードレース代表を発表し、男子で新城幸也(バーレーン・マクラーレン)と増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、女子で与那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ)と金子広美(イナーメ信濃山形)が選ばれた。世界最高峰のレース、ツール・ド・フランスで日本勢初を含む7度の完走を誇る新城は3大会連続の出場となる。新城と同じく欧州を拠点とする与那嶺は2大会連続の代表入りで、個人ロードタイムトライアルにも出場する。増田と金子は初選出。日本は昨年10月時点の国際自転車連合(UCI)国別ランキングなどに基づき、男女のロードレース各2枠と、女子個人ロードタイムトライアル1枠を獲得した。日本連盟は、新型コロナウイルスの影響で3月にポイント対象大会が中断されたため、代表選考期間を10月17日までに変更していた。

 東京五輪の自転車ロードレース代表入りが決まったことを受け、男子の新城幸也(バーレーン・マクラーレン)が4日、オンラインで会見し「自国開催で走れることをうれしく思う。競技生活で一番大事なレース。メダルを目指したい」と決意を語った。

 2012年のロンドン、16年のリオデジャネイロ五輪に続き、3大会連続の選出となった。新型コロナウイルスの感染が広がる中、今シーズンは3月にレースが中断。シーズンがそのまま終わらないかと不安を抱えながら、大会がなかった時期の約4カ月をタイで過ごし調整した。5月すぎにレースが再開。8月のチェコツアーから走り始め、10月に3度目となる欧州三大レースのジロ・ディタリアに挑戦し総合89位に入った。「最初戸惑いはあったが、タイではトレーニングできた。コロナ禍の中でもしっかり準備はできた。今シーズンのレースで自分の枠が広がったと思う」と振り返った。

 現在は帰国し自宅待機を続けているという。11月中は故郷の石垣島などで過ごし、12月にトレーニングを開始する予定。五輪コースを試走するなどの合宿も想定する。

 36歳の第一人者はチーム内でも年齢は上から2番目とベテランの域。東京五輪について「大事なレースの一つ。ただそこで(競技を)やめるつもりはない。どこまでもやりたい」と衰えはない。沖縄や石垣島に向け「応援に来てほしい」とメッセージを送った。

東京五輪の自転車ロードレース代表に選ばれた新城幸也。写真は昨年1月に沖縄本島北部で練習に励んでいた時の様子。今シーズンを終え、3度目となる五輪に挑む=2019年1月、名護市内

 チャンス、自分でたぐり寄せる 一問一答

 東京五輪代表に決定した新城幸也の一問一答は次の通り。

 ―東京五輪代表の選手に決定した。意気込みを。

 「オリンピックが東京で行われることはスペシャルなこと。自国開催で気持ちはこもる。最高峰の選手が集まる中、自国開催で走れることを本当にうれしく思う」

 ―目標は。

 「メダルを目指す。誰が勝つか分からないのが自転車レース。世界ランキングトップ10でなくても表彰台に上がれるのが自転車レースの魅力でもある。誰もがチャンスがある中、自分でたぐり寄せるような展開にしたい」

 ―コースの印象は。

 「ヤマ場は二つある。富士山に登る上りと残り50キロの三国峠。ここが勝負どころになると考えている。1日200キロ走る中で(累積の)標高は富士山より高く上ることになる。厳しく、体の限界へのチャレンジとなる」

 ―沖縄や地元石垣島へのメッセージを。

 「やはりオリンピックと言うと反応がいい。皆さんに楽しみにしてもらいたい。小さな島からもオリンピック選手になれることを目にしてもらって頑張ってもらえたらと思う。東京五輪へ応援に来てほしい」

 ―東京五輪は競技人生でどのようなものか。

 「一番大事なレースなのは間違いない。頑張りたいレース。正直どこまでやれるか分からないけど、五輪後もやめるつもりはない。どこまでもやりたい」


 プロフィル
 新城 幸也(あらしろ・ゆきや)12年ロンドン五輪ロードレース48位、16年リオデジャネイロ五輪同種目27位。八重山高出、バーレーン・マクラーレン。170センチ、64キロ。36歳。