沖縄、違法残業98カ所 過労死ライン超え57カ所 2019年度


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 沖縄労働局はこのほど、2019年度の1年間に、長時間労働が疑われる県内156事業場に実施した監督指導の結果を公表し、違法な時間外労働が98事業場(62・8%)に上った。

 このうち、時間外・休日労働の時間数が「過労死ライン」の月80時間を超えた割合は33・7%(33事業場)、100時間超は18・4%(18事業場)、150時間超が6・1%(6事業場)だった。200時間超はなかった。

 19年度に労働基準監督署が156事業所に監督指導したところ、85・9%に当たる134事業場で労働基準関係法令違反を確認した。法令違反の内容は違法な時間外労働のほかに、過重労働による健康障害防止措置の未実施が42事業場(26・9%)、賃金不払い残業が38事業場(24・4%)で確認された。

 違反事業場数を業種別に見ると商業が33と最も多く、接客娯楽業19、建設業16と続いた。

 全国と比べて沖縄は労働基準関係法の違反率が高いという。労働基準部監督課の山口昌平課長は「中小企業が多く、都市圏に比べ労務管理がおろそかになっている」と傾向を指摘した。