KBC・吉永がライト級王者に ボクシング県高校新人大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ライト級決勝 1回、隙を突き右ボディーを放つKBC未来の吉永陸人(右)=3日、沖縄水産高体育館(新里圭蔵撮影)

 県高校新人大会は3日、4競技が行われた。ボクシングは各階級の優勝者が決定し、学校対抗では浦添が1位となった。

◆1回1分10秒圧勝 吉永

 ライト級の吉永陸人(KBC未来)は1発目のジャブが強烈だった。コーナーに追い込むとコンビネーションで打ち込み、RSC1回1分10秒で圧勝。「沖縄でつまずいてはいられない。勝つのは当たり前だと思っていた」と余裕の表情だった。

 宮古島で元世界王者の比嘉大吾を指導した知念健次氏に指導を受け、中学生で九州大会を制した実績を持つ。「強い人と戦ってさらに上を目指す」と高校からは北谷町に移り住み、沖縄ワールドリングジムでプロや大学生を相手に拳に磨きをかける。

 9月に強豪の宮崎・日章学園の選手とスパーリングして「自分より上だと感じた」と奮起。朝の走り込みや夕方のジム練習に加え、昼の筋トレや自主練習など1日5時間に及ぶトレーニングで自信を深めた。

 来年1月の九州大会で日章学園勢を倒すイメージを膨らませる。「前より気持ちの持ち方が変わった。焦らず冷静な試合運びをする」と特訓の成果をぶつけるつもりだ。
 (古川峻)

◆最終R気迫連打/バンタム級・久貝(浦添)

 バンタム級の久貝飛雄馬(浦添)は頭を下げて注意を受けて2回に反則を取られ「焦ってしまった」。迷いが生じ、出足が鈍ったが、逆に「手数で負けていた。全て出し切る」と3回へ奮い立った。

 セコンドの「手数だ。詰めろ」という声を受け、前に出る。クリーンヒットも含め気迫の連打で判定で競り勝った。「きれいに勝てなかったけど、初めて決勝に進んで優勝できてうれしい」と喜んだ。

 極真空手も習っており、打ち合いが得意だ。フットワークに磨きをかけ、アウトボクシングも習得するつもりだ。九州では「一つでも多く勝ち進みたい」。まずは初戦に集中する。

◆イメージ通りRSCで勝利/Lフライ・與那嶺(豊見城)

 ライトフライ級決勝でRSC勝ちした與那嶺翔(豊見城)。県総体決勝は判定勝ちだったため「RSCでの勝利しか考えていなかった。イメージ通りにできた」と納得した。

 ガードを固めて前に出る桑江羅唯也(中部農林)を手玉に取った。ぎりぎりのところでパンチをかわし、鋭い左のジャブを打ち込む。フェイントでガードを崩しては連打した。2回開始直後の桑江の猛攻も落ち着いて処理。最後は右フックを2度顔面に入れて倒した。

 終始落ち着いた試合運びだったものの「まだ若干の力みがある。手数が足りない」と課題を挙げる。初の九州大会は積極的に前に出るつもりだ。「九州を取りたい」と意欲を見せた。

◆九州は優勝したい

 ピン級で優勝した川端麿裕(陽明)の話 3回目の県大会優勝でうれしい。詰めた時の距離感がよくなかったが、セコンドの声を聞いて修正した。左ストレートで相手が下がったのでコーナーに詰めて勝負を決めた。全国を見据えて九州は優勝したい。

◆緊張して大振りに

 デビュー大会で優勝したフライ級の福原幸輝(石川)の話 緊張してパンチが大振りになった。1発に頼らず、細かい連打を使いこなして戦い方の幅を広げたい。九州では1回戦から集中し、優勝を目指す。

◆積極的に前に出た

 ミドル級で優勝した嘉数琉生(豊見城)の話 試合前から積極的に前に出ると決めていた通りに進めることができた。九州は出過ぎるとカウンターが危ない。インファイトとアウトボクシングを臨機応変に使い分けたい。

県新人大会ボクシングで優勝した(1列目左から)ピン級の川端麿裕、ライトフライ級の與那嶺翔、フライ級の福原幸輝、バンタム級の久貝飛雄馬、(2列目左から)ライト級の吉永陸人、ウェルター級の吉永涼介、ライトウェルター級の國吉泰生、ミドル級の嘉数琉生=3日、沖縄水産高体育館