18年ぶり古豪復活 努力結実、全員バレーで頂点つかんだ美里工 春高バレー


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18年ぶり12度目の栄冠に輝いた男子・美里工
2年ぶり9度目の頂点に立った女子・西原

 バレーボールの第73回全日本高校選手権(春高バレー)県代表決定戦最終日は3日、豊見城市民体育館で男女決勝を行い、男子は美里工が西原を3―0で破り、18年ぶり12度目の栄冠を手にした。女子は西原が3―1で首里に勝利し、2年ぶり9度目の頂点に立った。優勝チームは全日本高校選手権(2021年1月5日~10日、東京体育館、無観客開催)への出場権を獲得した。

◆努力結実、全員バレー 美里工
 

美里工―西原 第3セット、レフトからスパイクを打ち込む美里工の永吉祐矢=3日、豊見城市民体育館(ジャン松元撮影)

 美里工が18年ぶりの優勝を成し遂げた。常勝西原を去年の新人大会から破り続け、古豪復活を証明してきたが、新型コロナウイルスの影響で全国への道は阻まれていた。春高を決める決勝点をジャンプサーブで決めたエース饒平名丈衣はコートにしゃがみ込み泣き崩れ、駆け寄るメンバーと歓喜の声を上げた。

 王手をかけた3セット目。厳しい攻撃で食い下がる西原に中盤、連続得点を許し、6点差をつけられる。ここで3年の永吉祐矢が饒平名の対角エースポジションで入り、徐々に流れが変わった。

 1年の時、左膝靱帯(じんたい)を負傷する大けがで手術まで受けた。どん底を味わったが、悔しさと周囲の励ましを受け約5カ月で復帰。169センチと高くはないが、パワーを武器に勝負してきた。試合終盤も先にセットポイントとなった西原を果敢に攻め、2連続得点でジュースに持ち込む。もつれながらも31―29で決めた。

 1セット目にはサーバー交代で逆転にも成功した。呉屋一輝監督は「交代選手が120パーセントの力を出してくれた」と勝因を挙げた。全員バレーで勝利を手にし、永吉は「努力した結果。復帰して本当によかった」と笑った。
 (謝花史哲)


◆気持ち一つ、西原はつらつ/鍛えたサーブとブロック光る

西原―首里 第1セット、スパイクを決める西原の村岡琉唯

 オレンジコートに絶対に立つ―。昨年連続出場が途切れ、8強どまりの大会もあった西原が思いを前面にはつらつとしたプレーで勝利を引き寄せた。3年生16人全員が残り、気持ちを一つに臨んだ。田場淳一郎監督は「浮き沈みのあった世代。本当に成長した」と努力をたたえた。

 2セット目を落として追い付かれたが、みんなで「笑顔で全力で楽しもう」と声を掛け合い切り替える。鍛えたサーブとブロック力を発揮し、次のセットを奪う。4セット目に首里のエース・奥山日菜子の角度のあるスパイクを、リベロの金城愛夏が「絶対抜けてくる」とコースを読み切りレシーブ。セッターがつなぐと村岡琉唯がブロックアウトを決めて勢いに乗り、首里を引き離した。

 儀間夏実主将は「この大会への思いは強かった」と喜び、全国に向け「つなぐバレーで勝ち上がっていきたい」と力強く語った。