車いす、外国語、食事…「誰もが楽しめる観光を」八重山商工高生徒が取り組み報告


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 【石垣】障がいの有無にかかわらず、全ての人が楽しめる観光を目指す「ユニバーサルツーリズム」についての研究報告会が10月30日、八重山商工高校で開かれた。同校観光コース3年生が障がいなどに応じた5班に分かれ、現状や課題、解決に向けての取り組みを観光や福祉関係者に向けて発表した。

ホワイトボードに張ったポスターの前で、観光・福祉関係者などに向けてこれまでの研究成果などを報告する「車いす班」の生徒ら=10月30日、八重山商工高校

 観光コース3年生の17人は2年生の時からユニバーサルツーリズムについて学んできた。「中国語」「手話」「車いす」「点字」「ビーガン」の観点から、当事者に聞き取ったり、課題解決に向けて取り組んだりした内容を班ごとにポスターで発表した。

 車いす班は、飲食店での段差や席間の間隔などに配慮したバリアフリー施設が少ない現状を説明。同校機械科と連携して、スロープ製作などに取り組んだことを報告した。

 肉、魚、乳製品などの動物性食材を使わず、野菜などの植物性食材のみを使用することを意味する「ビーガン」。ビーガン班は実際にビーガンメニューを考案・調理するなど取り組んだことを報告した。

 点字班で発表した桃原咲羽さん(18)は「まだまだ障がいがある人などにとって住みにくい世界があることを知った。日本中同じ状況だと思うが、観光客だけでなく住民も含めて誰もが快適に過ごせるよう、小さな石垣島から発信したい」と話した。