4島こだわり 希少生物撮影 平城達哉さん 写真展で魅力発信 奄美、徳之島、沖縄島北部、西表島


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奄美大島、沖縄の希少生物を撮影する写真家・平城達哉さん(左)、妻の佳奈子さんと長男の知輝ちゃん=鹿児島県の奄美空港1階到着ロビー(提供)

 【奄美】樹上でハマセンダンの実を食べるケナガネズミの幼獣。背中合わせで休息を取るヤンバルクイナのつがい。世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の希少生物を撮影し、その魅力の発信に力を入れる写真家の平城達哉さん(29)=鹿児島県奄美市。生き物が見せる豊かな表情を切り取り続けている。

 大学時代は琉球大で過ごし、年間50回以上やんばるの森に通い詰めた。現在は奄美博物館で勤務する傍ら、奄美空港で写真展「平城達哉写真展~奄美・沖縄の希少な生き物~」を開催している。24日まで。4島の動植物をテーマにした個人写真展は珍しく、固有種・希少種にこだわった内容だ。

 幼い頃から動物が好きで、よく奄美の森に観察に出掛けた。ある日林道を探索していると、目の前で天然記念物のアマミノクロウサギが道路を横断した。図鑑でしか見られない「幻」だと思い込んでいた生物の姿を目にし、その日の夜は興奮して眠れなかった。

 生物と触れ合ううちに「形に残して魅力を伝えたい」と気持ちが強くなった。大学入学と同時に、こつこつとためたアルバイト代で一眼レフカメラを購入した。夢中でフィールドに通い、時にはハブがヤンバルクイナを捕食する貴重な映像も捉えた。奄美を拠点に活動し、今後は「沖縄での経験も生かしつつ、奄美から4島の動植物を発信し続けたい」と力を込めた。 
 (喜屋武研伍)