虐待の早期発見へ 北谷町が幼小中校と協定 学校での様子を共有


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児童虐待の早期発見や防止につなげる協定を締結した北谷町の野国昌春町長(右)と町校長会の山城勝美会長=5日、北谷町役場

 【北谷】北谷町と町内の幼小中学校が5日、児童虐待の早期発見や防止に向けて定期的に情報を共有する協定を締結した。月に1度、児童生徒の出欠情報を共有するほか、不自然な外傷や連絡不明の欠席、帰宅を嫌がるなどの行動が見られる場合は即時に学校側から町に報告が入る。同日、締結式が町役場で開かれた。

 県内の児童相談所が対応した虐待件数は2018年度から2年連続で千件を超え、コロナ禍でさらに増加が懸念される。県青少年子ども家庭課は北谷町の協定について「学校と自治体の連携強化として先進的な取り組みではないか」としている。

 町によると、これまで児童虐待について、学校と行政で情報共有はしてきたものの、即時に把握できないことが課題だった。町では昨年、虐待事案が13件あった。

 野国昌春町長は「町内でも虐待の事例が確認されている。防止や早期発見にはどこに要因があるかなど、情報共有と連携が必要だ」と述べた。町校長会の山城勝美会長は「これまでも連携してきたが、さらなる連携強化や明確な役割分担で子どもを助けることができる」と意義を語った。