地域

無形文化財「伊江島の村踊」 伊江小5年生が挑戦 地域の大人たちが指導

保護者から指導を受け、踊りの練習に打ち込む伊江小の児童ら=10月28日、伊江村の阿良区公民館

 【伊江】「歌詞を覚えないと意味ないぞ」「左足をもう少し前に持ってきて」。辺りが暗くなった10月28日午後7時半、伊江村の阿良区公民館では地域の大人たちが、伊江小の児童らを熱心に指導していた。1カ月先の学習発表会で披露する、国の重要無形民俗文化財「伊江島の村踊」の練習が佳境を迎えている。

 「伊江島の村踊」は「二才踊り(にせうどぅい)」と呼ばれる青年踊り。島で創作された踊りと、本島や他地域から伝承されてきた踊り、本土から伝わってきた踊り(ヤマト系芸能)の三つに分けられる。ヤマト系芸能は、島の総地頭が本土への旅に出向いた時、旅先で聞いたヤマト歌や踊りを島に持ち帰り、三線の音に乗せ独自の振り付けを加えたとされる。県内の他地域には見られない特色となっている。

 伊江小は1986年から村踊や「伊江島エイサー」などの伝統芸能の継承活動に、地域一体となって取り組んでいる。今年は優れた教育を実践している団体・個人を顕彰する「博報賞」の功労賞を受賞するなど、県内外で功績が認められている。

 村踊を発表する機会は12月の学習発表会、来年1月の子ども会発表会、4月のゆり祭りと3回あり、いずれも5年生が務める。踊りを指導する友寄健吾さん(44)は「人から人につながるのが民俗芸能の良さ。伊江島の文化を肌で感じることができる」と語る。踊りの最中に何度も曲を止め、指導者同士で動きを細かく確認していた。

 島の子どもたちのほとんどは高校進学で島を離れ一人で生活する「島立ち」を迎える。それまで村踊の学びの場、発表の場などが設けられ、島の郷土芸能を意識するようになる。4月から伊江小に赴任した小波津京子校長は「子どもたちに島のことを聞くと『大好き』と返ってくる。地域の人が温かく見守ってくれているおかげで、村出身としての誇りが育っている」とうなずく。

 踊りの師匠もかつては島の先輩から習ってきた。保護者のほとんどが、村踊を指導できるという。照屋孔雲さん(伊江小5年)は「(地域の人が)優しく教えてくれるし、練習が楽しい。もっと上手に、もっといろいろな演目ができるようになりたい」と頼もしい笑顔を見せた。
(喜屋武研伍)



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