コロナ対策もないがしろ…米兵事件、制度違反など2週間で8件「飲酒絡みほとんど」


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 県の試算によると、10月25日~11月8日に米兵が逮捕された事件13件のうち8件が、深夜の外出や飲酒を規制するため米軍が定めた「リバティー制度」に違反しているか、違反の疑いがある。謝花喜一郎副知事は「ルールが守られていないことが判明している」と指摘。米兵が新型コロナウイルス感染の拡大防止策に反して行動していたとみられる事件が少なくとも3件あると説明した。

 県によると、リバティー制度は、階級によって違いがあるものの、原則として午前0時から午前5時までの飲酒、午前1時以降の外出を禁じている。謝花副知事は2週間で発生した13件について「飲酒に絡んでいるのがほとんどだ」とも強調した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止策として海兵隊は、人の多い那覇市内での活動を禁じているが、中部地域の基地に所属する兵士が那覇市で逮捕される事件も3件あり、県はコロナ対策の取り決めに違反しているとみている。

 内部の取り決めに従わない米兵が事件を起こしている傾向に、謝花副知事は「これからクリスマスシーズン、年末になると、ますます事件が頻発するのではないかと懸念している」と警戒感を示した。

 抗議を受けた田中利則沖縄防衛局長は「個々の事案について違反の有無や処分内容は説明していない。米側としてはきちんと調査した結果を踏まえ、軍の規則に基づいて適切に処分している」と答えた。

 11月8日に発生した米海兵隊員による強盗事件について、謝花副知事は飲酒した被疑者がタクシー運転手の首を締め付け現金を奪った上で、強奪した車両で事故を起こしたとし「極めて凶悪な事件だ」と非難した。

 県が早期開催を求めた「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム(CWT)」は、2017年4月を最後に開かれていない。県の要請に対し橋本尚文外務省沖縄担当大使は「次回の開催に向けて調整を続けている」と述べるにとどめた。