生物学者の池田清彦氏が講演 「コロナ対応は是々非々で」 琉球フォーラム


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池田清彦さん

 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・玻名城泰山琉球新報社長)の11月例会が10日、那覇市の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで開かれた。生物学者の池田清彦氏が「パンデミックはなぜ起こるのか」と題し講演した。

 池田氏は新型コロナウイルス感染拡大の背景として、人口増加や交通網発達により人の移動が激しいグローバル資本主義では「一つの場所で感染が起こるとどうしてもパンデミック(世界的大流行)になりやすい」と指摘。観光に依存する沖縄でも人の出入りを完全に止めるわけにはいかず、経済的な影響を踏まえ「是々非々でやるしかない」と語った。

登壇する池田清彦氏に拍手を送る会員ら=10日、那覇市の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ

 かつて流行した天然痘と異なり新型コロナはウイルスが変異を繰り返しており、池田氏は「ワクチンを開発しても、どのウイルスに有効かが分からないと効かなくなる可能性がある。違うタイプに再感染することも考えないといけない」と語った。

 日本など東アジアで死者数が比較的少ない点に関しては、ネアンデルタール人の遺伝子が重症化をもたらしているとの説を紹介した。
 欧州や南インドの人がこの遺伝子を受け継いでいる一方、東アジアの人は持っておらず「それが死亡率の低さにつながっているのではないか」と話した。