パラ出場ラストチャンスか 喜納、上与那原出場へ 大分車いすマラソン


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6月に沖縄市陸上競技場で開かれた記録会で競り合う喜納翼(手前)と上与那原寛和

 日本勢にとって東京パラリンピックの切符を手中にする最後のチャンスとなりそうな大分車いすマラソンが15日に開催される。トラック種目でパラの出場権を獲得した選手はマラソン出場の道も開けるが、2012年ロンドン・パラ4位の副島正純(ソシオSOEJIMA)らマラソンのスペシャリストにとっては正念場となる。県勢は昨年の大会で1時間35分50秒の日本記録で日本勢トップだった喜納翼が出場。上与那原寛和もエントリーしている。

 車いすマラソンで東京大会に内定しているのは男子の鈴木朋樹(トヨタ自動車)ただ一人。パラ出場に望みをつなぐため、大分県庁前―大分市営陸上競技場のコースで競う今大会で男子は1時間22分23秒、女子は1時間36分26秒が最低限の目標タイムとなる。

 高速コースとされる大分で記録を伸ばしたいが、例年とは異なり世界のトップ選手は新型コロナウイルスの影響で招待できなかった。お互いが風よけになり、ハイペースを維持する必要がある。

 昨年大会は後半まで集団で展開し、副島や、パラ初出場を狙う28歳の渡辺勝(凸版印刷)、4大会連続出場を目指す54歳の山本浩之(はぁとスペース)らはいずれも1時間24分台でゴールした。1分以上の更新が求められる今大会に向け、日本パラ陸連の指宿立強化委員長は「お互いがけん制するとタイムは出ない。積極的なレースをしてほしい」と注文を付けた。

 女子はトライアスロンでも代表を狙う46歳の土田和歌子(八千代工業)が出場予定だが、目標タイムは持ちタイムとの差が8分以上と大きく、厳しい挑戦となりそうだ。