4カ月ぶりに上方修正 一部に回復の動き 11月日銀概況


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 日本銀行那覇支店は11日、11月の県内金融経済概況(主要指標9月)を発表した。政府の国内旅行需要喚起策「Go To トラベル」に東京が追加された効果などで一部の観光需要が上向いていることから、足元の県内景気判断を「一部に回復の動きがみられるが、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続いている」として、4カ月ぶりに上方修正した。

 桑原康二前支店長はGo Toトラベルに東京が追加された効果が観光需要の回復に表れているとして「前年ほどには戻っていないが、トレンドとしては右肩上がりで先行きも期待されている」とした。一方で、企業の中には同キャンペーン終了後の反動減を懸念する声もあるという。「割引の恩恵を受けやすい高価格帯のリゾートホテルでは、割引価格に客が慣れることで従来の価格に戻しづらくなるなどの副作用を懸念する声もある」と話した。

 【個人消費】前年9月に、消費増税前の駆け込み需要があった反動で、各指標とも前年同月を下回った。自動車登録台数は前年同月比5.6%減、家電大型専門店販売額は同32.2%減となった。ただ、18年9月と比較すると自動車は6.6%増、家電は9%増となる。一時に比べ効果が薄れているものの、定額給付金の効果や、家電には巣ごもり需要もあった。

 【観光】主要ホテルの客室稼働率は28%と3割を切ったが、8月に比べて5.4ポイント改善した。リゾートホテルを中心に需要は回復傾向にあるという。

 【住宅投資】新設住宅着工戸数は前年同月比63.4%減だった。