沖縄県内の特別支援学校、過密解消が課題 知的障がいの生徒が41%増


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 沖縄県内の特別支援学校に通う知的障がいのある児童生徒数が、約10年間で41%増加していることが12日、分かった。同日の2020年度県総合教育会議で県教育委員会が報告した。特別支援学校では過密化が進んでおり、県教育委員会は「中部地区の現状と課題を踏まえ、緊急的、抜本的な解決策が必要だ」との認識を示した。

 県教委によると特別支援学校に通う知的障がいのある児童生徒数は2011年度に1420人だったが年々増加し、20年度は2006人に達した。児童生徒数は41%(586人)増加した。知的障がい以外の児童生徒は11年度の566人から、20年度は417人に減少した。知的障がいのある児童生徒数の増加が、特別支援学校全体の児童生徒数を押し上げている。

 那覇南部地区では大平特別支援学校と島尻特別支援学校に通う児童生徒数が約10年間で40%増加した。理科室や音楽室などの特別教室を普通教室に転用したり、敷地内に新たな教室を設置したりして対応を進める。県教委は那覇南部地区の特別支援学校の過密解消や市外への通学負担軽減のため、2022年4月に那覇みらい支援学校を開校する予定。

 中部地区では美咲特別支援学校と、はなさき分校に通う児童生徒数が約10年間で51%増加した。ベランダや特別教室の改装、新たな教室の設置などで対応してきた。

 県総合教育会議に出席した委員から「知的障がい学級増加の背景には地域の特支学級増加があり、小中学校でインクルーシブ教育を推進する必要がある」などの意見が上がった。